パレスチナで起きている苛酷な現実を「正確に、かつやさしく」白日の下にさらしたとして国際的な評価を受けた本書。新たに著者のサッコ自身が取材当時の日記やメモ、イラスト、写真などを紹介しながら、マンガに込めた思いを包み隠さず吐露した30頁分を増補しました。パレスチナ問題に発言を続けた思想家サイードが「このうえなく独創的な、政治的かつ美的な作品」と絶賛したコミック・ジャーナリズムの真髄が味わえる一冊です。
著者 | ジョー・サッコ●著 小野耕世●訳 |
ジャンル | マンガ |
出版年月日 | 2023年1月発売 |
ISBN | 9784910962009 |
判型・ページ数 | B5判変型並製336頁(32頁カラー) |
定価 | 本体2,000円+税 |
内容説明
ジョー・サッコは1991-92年にかけてイスラエルの占領地であるヨルダン川西岸地区やガザ地区で2か月間を過ごした。折しもパレスチナ人のあいだから自然に起きたといわれる第1次インティファーダ(民衆蜂起)の時である。紛争の最前線でぶっつけ本番のインタビューを重ねた彼は、パレスチナ人から堰をきったように語られる苛酷な事実をリポートしていく。
● 「治安上の理由」で収入源のオリーヴの木を切られた農民
● 「非合法組織の一員」だと疑われ、「おだやかな圧力」のもと3週間にわたって拷問され、ついに釈放された男
● イスラエルの兵隊に2人の息子を射たれ、何の治療も受けられないまま見殺しにされた難民キャンプの母親……
「私の考えは、自分で体験し感じたことを正直に伝えることにあり、客観的な本をお届けすることではない」──ジョー・サッコ
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